第二話 第二章

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 後ろでしがみ付いて居た男の子からも、ホッとした気配が伝わってくる。  僕と男の子は二人して安堵の溜息を漏らす。  安堵する僕たちの事を不思議がって見る店長へ。 「いやその。実は危ない野生動物にでも追われてると思って逃げてたんです。」 「こんな綺麗なお姉さんがそんな訳は無いでしょうに。全く!」  店長はブツブツと文句を口にしている。  本当はもっと危険な、言葉で言い表せないナニカだと思ったけど。  それは言わずに置いた方が良いだろうね。  実際暑さと心細さからそう思っただけみたいだし。  僕がそう納得していると、文句を言っていた店長が。 「それにですよ? この山にそんな危ない生き物が居たなんて、  マスターの私は聞いた事も無いですからね。」 「それは僕も同じですよ。でも、居ない。  とも聞いた事が無いなって考えたら。ちょっとだけ怖くて。」  僕がそう話すと、店長の顔が曇る。  あ。店長も居ないとは聞いた事ないんだな。 「……とーり敢えず山を下りよう。うん、下りよう。」 「って言っても僕は帰り道分かりませんよ。」 「ぼ、ぼくも。」  隣を見るとケン君が手を上げて答えていた。  そんな僕らを見た店長は。 「大丈夫大丈夫。この地蔵があるって事は───あっちが帰り道ね。」     
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