第二話 第三章

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第二話 第三章

 ───三人は舗装された道へと戻ってこれた。  山で迷ったのは一時間程度だったが、舗装された道に戻れた瞬間。  これ以上無い安堵感が満ちるのを感じた。嬉しくなった僕は。 「本当に道が分かってたんですね。見直しました店長。」 「もっと褒め給えよ。つっても殆ど勘だったけどねー。えへ。」 「前言撤回ですよ店長。」 「うそぉ!? 勘ってあれよ? 経験に基づく───ってやつ。」  言い終わると店長は“ね?ね?”と言った顔をしている。  そんな店長は無視して、僕は手を握って歩くケン君へと視線を下ろし。  そこで気が付いた。彼の頭にあるべき物が無い。 「あれ? ケン君帽子は?」 「お礼に置いて来た!」  元気いっぱいの返事に、思わず僕の頬も緩んでしまう。 「(お礼って多分あのお地蔵様にだろうなぁ。  まあお礼なら取りに戻らなくても良いか。良いよね。)」  僕はそう考え、ケン君から空のペットボトルを回収する。  それにしてもこの子は強い子だ。僕が同じ年に同じ経験をしたら、  きっと泣きじゃくっていたに違いない。本当にしっかりした子だ。  その後。店長に導かれて舗装された山道に出た僕たちは、そのまま下山する事に。     
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