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第二話 第一章
───林道休憩所に立てられた喫茶店内。
今日も今日とて誰も居ない喫茶店。そこが僕のバイト先。
でも客が居なくともする事とはある。例えば店の清掃とか、食材の整理。
だけどそれが済んでしまえば後に待つのは暇な時間。
「まあ。楽だから良いんだけどね。」
僕は誰に聞かせるでもない言葉を呟きながら、水の張られた小さな鍋に手を入れ。
水の中に沈んでいる卵を軽く握っては温度を確かめる。熱さは感じない。
鍋から冷たくなった卵二つを取り出し。軽く叩いては殻を剥いていく。
思いの外殻を綺麗に剥ける事が出来て、ちょっとだけ良い気分だ。
殻の剥けたゆで卵をまな板の上で二つに切り、中の黄身を取り出しては
小さめのステンレスボウルに放り。
板に残った白身を細かく刻んでは同じステンレスボウルへと入れる。
後は塩を一摘みとマヨネーズを適量。
そしてそれらが入った中身を木のスプーンで混ぜて往く。
途中足りなかったかなと思い。マヨネーズを追加で少し入れてはまた混ぜる。
今やっているこれは、別に喫茶店の準備とは関係ない。
いや、あると言えばあるのかな? かなり個人的に感じるけどね。
「んあー。」
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