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なのだが、どうも生徒は彼女以外一人として見当たらない。
先生が居るであろう職員室は一階で確認出来ないが、この二階から四階の何処にも
僕たち以外の人は居ない様子。その事を彼女に聞いてみたら。
『さあ? 下校時刻だから皆帰ってしまったのじゃないかしら?』
との事。そんな呑気な事を言っていた。
皆が消えたのではなく、僕たちがこの変な校舎に消えたのだろう。
出られず人も居ない事を考えればそれが一番近い気がする。だって。
「閉じてるのは良いとして、何で開かないかなぁー……。」
「びくともしませんね。」
二階の部室棟への道は防火扉が閉じ。しかもどうやっても開かない。
こんな閉じ込めるように閉まってる扉があるんじゃあ、
此処が不思議空間としか考えれられない。そもそも僕の連れが皆居ないしね。
防火扉を諦めて、今度は廊下の窓を開けてみようと試みるが、やっぱり此方も開かない。
一度窓から離れて遠目に見る。窓に特に変わった様子はない。
閉じ込められている。そう考えると何だか悔しく感じて、僕は窓をもう一度開こうと頑張る。
その僕の背後から、女子生徒が顔を覗かせて。
「本当に不思議ですね。」
なんて呑気そうに感想を口にした。本当に落ち着いた様子の彼女。
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