第三話 第三章

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 なのだが、どうも生徒は彼女以外一人として見当たらない。  先生が居るであろう職員室は一階で確認出来ないが、この二階から四階の何処にも  僕たち以外の人は居ない様子。その事を彼女に聞いてみたら。 『さあ? 下校時刻だから皆帰ってしまったのじゃないかしら?』  との事。そんな呑気な事を言っていた。  皆が消えたのではなく、僕たちがこの変な校舎に消えたのだろう。  出られず人も居ない事を考えればそれが一番近い気がする。だって。 「閉じてるのは良いとして、何で開かないかなぁー……。」 「びくともしませんね。」  二階の部室棟への道は防火扉が閉じ。しかもどうやっても開かない。  こんな閉じ込めるように閉まってる扉があるんじゃあ、  此処が不思議空間としか考えれられない。そもそも僕の連れが皆居ないしね。  防火扉を諦めて、今度は廊下の窓を開けてみようと試みるが、やっぱり此方も開かない。  一度窓から離れて遠目に見る。窓に特に変わった様子はない。  閉じ込められている。そう考えると何だか悔しく感じて、僕は窓をもう一度開こうと頑張る。  その僕の背後から、女子生徒が顔を覗かせて。 「本当に不思議ですね。」  なんて呑気そうに感想を口にした。本当に落ち着いた様子の彼女。     
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