第三話 第三章

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 一体彼女はどれだけ此処を彷徨っているのか。  噂の“彷徨い続ける女学生”は本当に彼女なのか。そう言った疑問が僕にはある。  だけどどれも彼女には聞けない。聞いてパニックにでも成られて、  騒ぎ回られたら困るからね。  僕は窓は開かないと諦める。そして。校内を歩き回り疲れたので、  近くの教室に入って少し休む事に。教室に入っては入口近くの椅子を引いて腰掛ける。  後を付いて来た女子生徒は僕の席の前。その椅子をくるりと回しては座り。  僕を“ジッ”と見詰めて来る。何故そんな事をして来るのかは謎だ。  そして、女子生徒に見詰められるのは凄く恥ずかしいのでやめて欲しい。  僕は視線に耐えられなくなり、もう顔を背けてしまおうとして。 「貴方。本当に落ち着いていますね。」  彼女から声を掛けられた。  まさに今の今、僕はとても心穏やかとは言い難かったんだけど。  と言う話は置いておいて。 「あー……。そうでも無いよ。  そう見えるのは、ちょっと最近おかしな事が続いてたから。  それで少しだけ耐性があるからかもね。」  今年の夏休みは初日、いや前日から既におかしな事があった。  それの所為で図太くなってるのかも知れない。 「あら、こんな事は良くある事なのかしら?」     
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