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僕は思わず立ち上がって叫んでしまった。だって、
あんな不意打ちでホラーな物を見せられて、ビビらない訳がない。
叫び上げた事で彼女も窓の異変に気が付いた様だ。
だけど、音を立てたのが不味かったらしい。
張り付いた黒いナニカは“ガガガガガガッ!”っと激しく窓を揺らして、ガラスに亀裂が走る。
今にも割れそうな窓を見て。
「逃げよう!」
僕は返事も聞かずに彼女の手を取って、教室から急いで出ては扉を閉めた。
閉める間際、教室内から“ガシャーン!”と四度ほど音が響く。
それと殆ど同時に“ビタビタビタビタッ!”っと閉めた扉に教室の中から勢い
よく黒いナニカが打つかって来た。
僕はビックリして扉を見詰めて後退る。扉の窓は真っ黒に塗りつぶされて中が見えない。
だけど、塗りつぶされた窓はナニカが蠢いているみたいで、見ていると気分が悪くなる。
まあ視線を外せば取り敢えずは落ち着ける。事も無かった。
暫くすると今度は扉が激しく揺れ始め、今にも開きそうだ!
これは不味いと僕は女子生徒の手を再び握っては中央階段へ走る。
その背後で大きな音が聞こえた。何か硬い物が壁に叩きつけられた様な、
まさに扉がぶち破られた様な、そんな音が廊下に響き渡り。
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