第三話 第三章

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 想定されていた非常事態とは違うかも知れないが、迷わず扉を開け放ち。  外にむき出しの下り階段を無我夢中で駆け下りる。  階段を下り切ると校舎の中へ戻る扉があり、僕はぶつからんばかりにその扉を押し開き。  校舎の中へと飛び込む。非常階段を駆け下りて辿り着いた先は校舎の一階。  辺りの様子を伺うも、相変わらず人の気配が無いだけで。それ以外におかしな所は無い。  それ所か不快感も悪寒もまるで感じない。ふと振り返ると閉じた覚えのない非常階段は閉まっていた。 「開かなくなってますね。」  女子生徒がドアノブを“ガチャガチャ”と回して確かめる。  扉は鍵がかかってるらしく開かない。何故かは気になったが、そんなものはどうでもいい。  一先ずは助かったらしいのこの現実を噛み締めたい。  僕は両膝に手を預け、大きく溜息を吐き。そして大きく息を吸い込んで。  助かったらしい現実を必死に噛み締める。 「出口は屋上にあったんですね。  もし次また迷い込んだら其処から出れば良い、っと。」  すっかり落ち着いた様子の女子生徒が呟く。  “また”なんて演技の悪い事は言わないで欲しいなぁ。  彼女の呟きは聞かなかった事にして。 「折角一階に来れたんだ。とっとと校舎を出よう。     
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