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此処でのんびりしてるとまたアレに襲われかねないから。
流石に玄関からなら出られる。と思うし。」
「それもそうですね。」
僕は女子生徒を連れて正面玄関へと向かう。玄関へ着いた僕はそのまま出ようとしたが、
彼女が下駄箱から靴を取り出すのに気が付く。もしかしてこの奇妙な校舎の生徒?
聞いてみようかなと彼女を見詰める。彼女は長い髪を片手で抑え、上履きを手に取ろうとする所。
僕は視線を外す。何と言うか、僕も男子だからね。
視線の外。上履きを閉まっているであろう彼女が。
「これからどうします?」
そう問い掛けて来た。僕は玄関の方を眺めて思う。
きっとこの玄関を出たら僕は戻れる。なぜかって言うと。
「(玄関の扉から見た外には何も無い。蠢く闇ではなく、本当の真っ暗。
此処に最初に来た時と一緒の物だ。)」
玄関のガラス扉の向こう側には何も無い。
あれが来た時と同じものなら、多分帰れるのだろう。だけど。
「(彼女に同じ物が見ていないとするなら、多分……。)」
彼女は一緒には来れない。漠然とだかそう感じた僕は。
靴を履き終えた彼女にある事を話す事に。
「此処の駅から二つ隣に変な喫茶店があるんだけど───」
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