第三話 第三章

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 僕は喫茶店の場所を彼女へと話し、この前店長から聞いた胡散臭い話も教えた。  そして、此処を出たら行ってみてと彼女に進める。  どうしてこんな話を彼女にしたのか。多分それは、  彼女がこんな状況に慣れていると感じたからだと思う。僕なんかよりもずっとね。  あの祠がもしかしたら、彼女の役に立つかも知れない。  ただそう思って、彼女に話した。  無責任かも知れないけど、なにかしてあげなくちゃと。そう感じて。 「───そう。」  話を聞き終えた彼女は短くそう応えるだけ。  僕の意図を察したのか。それは分からないけど、短く返事をすると。  それ以上彼女は何も聞いて来なかった。  僕たちは奇妙な無言のまま校舎の玄関へ歩き出し、そして扉に手を掛ける。  扉を開いた瞬間。例の凄い力に引っ張られる様な感覚がして───  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  ───足が地面の感触を伝えてきた時。僕は外に出た気が付く。  辺りは雑草の生えた校庭。隣を見るも彼女の姿は無い。 「(やっぱり……。)」  何と無くの予感は当たってしまった。帰って来れたのは僕一人。  入った場所が違くて、実は彼女も帰れてる。と良いのだけど。それは無いのかな……。 「(それなら噂はには成らないか……。)」     
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