第三話 第三章

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 思わず脅かそうかとも思ったけど、心配している相手に悪巫山戯は良くない。  僕は素直に。 「窓の外を見てみて。」 『なな、なんでだよ! お前は誰なんだ!?』 「良いから。」  疑っている友人。着信には名前が出てたと思うんだけど……。  スマホの向こうでは三人が何事かを話し合う声が小さく聞こえる。  それは幽霊が掛けて来たとか、罠だとか、そんな話し合いが暫く続き。  どうやらやっと窓の外を見る事にしたらしい。  校舎の中から外を見たのは女子二人。僕を見てビックリした様子の彼女達へ手を振りながら。 「その教室は見ずに外に出て来て。」  それだけ言って通話を切り、スマホをポケットへ仕舞う。  もっと丁寧に説明しても良かったのだけど。  下手に事情を話して教室への興味を誘ったら困る。  勿論僕が直接上がって行ってと言う話も無しだ。あんな体験をした校舎に、  もう一度入りたいとはとても思えない。  暫く外で待っていると。正面玄関から三人が姿現し、此方へ駆け寄って来て。 「何でだよ! イリュージョンか?マジックか?  やっぱイリュージョンか!?」 「どどどして!?」 「───!───!」  友人は捲し立て。平山さんは一人は興奮した様子で。  渡辺さんは平山さんの袖を掴んでは、出て無い声で何事かを叫んでいる。     
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