第三話 第三章

14/15
前へ
/43ページ
次へ
 三者三様の驚き方に此方が圧倒されそうだ。いや、されてしまった。  だからつい。なんの他意も無く“ポロッ”と。 「えっと、彷徨い続ける女学生とちょっと彷徨ってた。」 「「「!!!」」」  そんな事を言ってしまった。皆は校舎へ一度振り返っては僕を見て来る。  皆の視線が辛い。僕は固唾を呑んで僕を見る皆へ。 「今日は疲れたから。もう帰ろう。」 「そそ、そーだな。うん。」 「今日の所は、ね。」 「!!(頭を激しく上下に振っている。)」  友人に続き平山さんと渡辺さんも同意してくれた。  その帰り道。三人からの質問攻めを適当に答えながら。  頭の片隅ではずっと。 「(彼女はどうなったのかな……。)」  奇妙な時間を共有した女子生徒の事を考えながら。家へと家路へとついた。  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  ───翌日。  恐怖が抜けた友人にしつこく質問されながら帰った後。  僕は成り続けるスマホを無視して、そのまま寝ては翌日。  喫茶店のバイトに今日も来ていた。  朝の喫茶店内を掃除しながら。昨日の出来事をぼんやり思い出す。 「(かなり強烈な体験だったなぁ……。)」  あの空間は何だったのだろうか。そして其処で出会った女子生徒はどうなったのか。     
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加