0人が本棚に入れています
本棚に追加
三者三様の驚き方に此方が圧倒されそうだ。いや、されてしまった。
だからつい。なんの他意も無く“ポロッ”と。
「えっと、彷徨い続ける女学生とちょっと彷徨ってた。」
「「「!!!」」」
そんな事を言ってしまった。皆は校舎へ一度振り返っては僕を見て来る。
皆の視線が辛い。僕は固唾を呑んで僕を見る皆へ。
「今日は疲れたから。もう帰ろう。」
「そそ、そーだな。うん。」
「今日の所は、ね。」
「!!(頭を激しく上下に振っている。)」
友人に続き平山さんと渡辺さんも同意してくれた。
その帰り道。三人からの質問攻めを適当に答えながら。
頭の片隅ではずっと。
「(彼女はどうなったのかな……。)」
奇妙な時間を共有した女子生徒の事を考えながら。家へと家路へとついた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
───翌日。
恐怖が抜けた友人にしつこく質問されながら帰った後。
僕は成り続けるスマホを無視して、そのまま寝ては翌日。
喫茶店のバイトに今日も来ていた。
朝の喫茶店内を掃除しながら。昨日の出来事をぼんやり思い出す。
「(かなり強烈な体験だったなぁ……。)」
あの空間は何だったのだろうか。そして其処で出会った女子生徒はどうなったのか。
最初のコメントを投稿しよう!