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第三話 幕間
───夕暮れ時の校舎前。
正面玄関の扉から、一人の女学生が歩き出てくる。
長い髪の彼女は、周りを少し見渡し。少々残念気な表情を浮かべた。
と、そんな彼女は頭へ片手を当てたまま立ち尽くす。
「あれ? まだ帰ってなかったの、って大丈夫?」
「……ええ。ちょっと色々ありまして。」
立ち尽くしていた彼女へ話し掛けたのは、運動着姿の女学生。
心配する彼女へ長い髪の女学生が。
「大丈夫ですよ。」
「そう言うなら……。
あ、私もう部活終わりだから。一緒に帰ろ。」
「ええ。でも着替えは良いのですか?」
「制服はバックの中入ってるから大丈夫。」
そんな事を話しながら、二人は連れ添って歩く。
他愛のない雑談が少し続き。
「そう言えば。あの学校で男子生徒を見た事はあります?」
「えー? 無いかなぁ。
って、そもそも女子校に男子は居ないでしょ。」
「そうですよね……。」
「なになに? また何か面白い体験でもしたの?」
「聞きたいですか?」
「もち!」
長い髪の女学生は不思議な体験を友達へと話す。
『彷徨い続けている男子生徒』の話を───
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