第四話 第一章

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 涼しい喫茶店の中。テーブル席に座りながら考える。  暇な時間を宿題に割り当てていたのだが。  学校から出されたその宿題も殆ど終わり、気が付けば夏休みも後半。  テーブルに肘を付き、頭を手で支えて目を閉じる。  思えば今年の夏休みは昨年の物を凌駕するハチャメチャ具合。  昨年は友人に有無を言わさず連れ回され、挙げ句キャンプを強行。  でも今年はそれを以上に色々あった。  家でゴロゴロしようかとも思っていたのに、  気紛れでバイトなんかを始めてみたのがいけなかったのか。  バイトの内容は大変楽な物だった。だが何故か手伝いやら迷子探しやら店長の面倒やらと。  様々な事に巻き込まれ、喫茶店のバイト店員がする以外の事に大分振り回された気がする。  まあそれも耐えられそうだと。そう思い始めていたのだけどなぁ。 「でさ。今日は何処から行く?」 「あー。食べるのは後に回したいかも。」  そんな会話を楽しげにする二人。僕は二人と同じテーブル席に座っており。  しかもこの喫茶店には珍しいお客様だ。  一人は僕の隣に座った友人、もう一人はその友人の前に座った平山さん。 「も、もう二人共。今は宿題を片付けるのが先だよ?」     
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