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「「ああああぁぁぁぁ……。」」
そんな二人を絶望に突き落としたのは同じテーブル席で、
僕の向かいに座った渡辺さんだ。
この平山さんと渡辺さんは、この前は一緒に廃墟へ肝試して以来。
友人と一緒にこの喫茶店。つまりは僕のバイト先によく遊びに来る様に。
しかも僕に暇な時間が多いと知った友人は、今日。
勉強会とは名ばかりの、宿題の手伝いを持ち込んで来たのだ。
これじゃ結局今年の夏休みも前と同じ、また友人と一緒に過ごす事に……。
僕はそんな事を考えながら、渡辺さんの言葉を受けてがっくりと頭を落としている二人の内。
隣に座っている友人へと声を掛ける。既に聞いた事をだけど。
「バイクの為のバイトはどうしたんだっけ?」
「ああ? だからいったじゃねーかよー。
欲しいバイクの半額集めた所で。『バイク代を半分出してやる。』
って親父がいきなり言い出してさ。
親父曰く『お前は音も上げず、諦めもせずに頑張った。だから半分出してやる。
学生の夏休みが全部バイトじゃ虚しい。残りは思い出を作ってこい。』ってよー!」
「良い親父さんだね。」
「ほんとほんと。」
僕の言葉に何時の間にか復活した平山さんが相槌を交えてくる。
だが友人は溜息を一つ吐き。
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