二章

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二章

レジンを作ろうと思いたつことは、突然やってくる。 空に浮かぶ、壮大な入道雲を見た時、道に咲いていた菜の花を見つけた時、窓についた雫が綺麗な光を持っていた時。 素敵な風景を見た時、そのイメージのまま閉じ込めたいと思ってしまうのだ。そんな時は、宿題をするのも忘れて、作るのに没頭してしまう。 今日、レジンを作るとしたら、カラフルでオモチャ箱みたいなものになる。 蓮くんとぶつかった時、私のファイルからたくさんの色を持った折り紙が飛び出したと思うから、それを形にしよう。 ベースの色は、透明にして、飛び散った紙をイメージしたビーズとか、ラメを配置して……。 考え始めると、作りたくなってくる。夜はもう遅いけれど、こうなるとやめられないことは自分でもわかっている。道具が収められている箱を取り出そうと立ち上がったその時、スマホがの通知を告げる音が響いた。準備を一時中断して画面を覗くと、蓮くんからメッセージ。
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