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諦めて違う道を探し始めて、気が付けばさっきまであったはずのレンガ道はいつの間にやら長い長い土手になっていた。立っている所こそ踏みしめられた土だが、それ以外は若草色の芝生に覆われている。
「のど、乾いたなあ……」
特に気になどなっていなかったのにいざ川を見ると途端にのどが渇いてきたので、結構な高さのある土手をお尻で滑って下り、そのままの勢いで川へと近づいた。
「……?」
近くで眺めてみるとその川はおかしかった。遠目で見る分には普通の川のように水の表面が光を反射してきらきら光り、流れているように見えた。実際は光っているのは川の表面のみで、てらてらとしている。のぞき込めば底の方でうごめく何かは七色に、やはりてらてらと光っていた。
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