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《勘はいいが、一歩遅かったな。王子様?》
ひとを小馬鹿にしたような笑みを浮かべる鬼原の姿が容易に想像できた。
「あんた、なに考えてるんだよ」
苛立ちを隠そうともしない旺佑を、鬼原が笑う。
《だから、言っただろ?》
お姫さまが、悪い魔法使いに攫われるかもしれないぞって。
そう言って、鬼原は一方的に電話を切った。
お姫さまを攫ったのは、魔法使いではなく、鬼だった。
旺佑は、ムカついてスマートフォンを投げ捨てそうになったが、それは自重した。
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