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急いで席に戻ると、生八ツ橋の品評会を継続開催していた三井が首を傾げて「鬼原さんたちは?」と尋ねる。
「……名古屋で降りた」
「え? なんで?」
それはこちらが聞きたい、と思ったが、変に勘繰られるのも不愉快なので、「お前の先輩が急激な腹痛に襲われた」と説明しておく。
「昨日結構飲んでたしなー」
納得した様子の三井の横から、「茨木さんも?」と宮田が顔をのぞかせた。
旺佑は「ああ」とぶっきらぼうに答えると、三井の方を向いた。
「……鬼原主任の連絡先、教えろ」
低い声で尋ねれば、彼はきょとんとして「え? オレ、知らんよ」と答えた。
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