闇の中に、眠る姫君。

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「きっと、大河(おおかわ)さまにも、会社を設立された背景には、そんな想いがあったのではないでしょうか。」 ──想いがあるから、新しいなにかを生み出せる。 きっとそれは、機械にはできないことだと思っている。 「…………」 沈黙。 また、沈黙。 ど、どうしよう。私、余計なこと言っちゃった……? 笑顔を貼り付けてはいるものの、背中に流れるのは冷たい汗。 沈黙に耐えかねて「こんな若輩者(じゃくはいもの)が偉そうに言ってすみません」と謝罪しようとした瞬間、大河が席を立つ。 「これやから、女はイヤなんや」 「あ、あの……」
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