眠る姫君に、くちづける王子。

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「常務と私が……付き合ってる?」 なんで? と琴音(ことね)が目を丸くする。 その反応に、保志(ほし)の頬がみるみる上気した。 「違う、んですか……」 表情がパアッと明るくなった。うれしくて仕方がないという顔を、彼はすぐさま両手で(おお)う。 「……ええっと、琴音(ことね)さんでしたっけ? 旺佑(おうすけ)、ちょっと情緒不安定なので、そっとしてあげてもらえます?」 「……ミユキ、黙って」 グイとミユキの胸ぐらを(つか)んだかと思えば、キスをするのかと思うほど顔を近づけ、なにかを伝えている。 会話の内容は琴音にはわからなかったが、その距離感に胸の奥がザラザラした。
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