森の奥には、ふたりの王子。

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「私は断然、営業部!」 「えー」 「三井、黙れ」と宮田がにらむ。旺佑(おうすけ)はクククッと忍び笑いをした。 「そういえば、宮田は営業部、楽しかったって言ってたな」 「そう! だって、茨木(いばらき)さん、すっごく素敵なんだもん!」 ゴフッと男ふたりが酒を吹き出す。思いがけない名前が挙げられた。 「え? 彩乃(あやの)ちゃん、茨木さんが研修担当やったん?」 口元をぬぐいながら、信じられないといった様子で三井が尋ねると、宮田は「そうよ」とうっとりとした眼差(まなざ)しで、どこか遠くを見つめていた。
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