くちづける王子と、恋に落ちた。

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「業務に集中しなさいッ!!!」 会社は仕事をする場所です、と当たり前のこと叫ぶ琴音(ことね)に、保志(ほし)はニッコリと笑って「はい」と答える。 暖簾(のれん)に腕押し。 (ぬか)(くぎ)。 オトナの恋と言うには、少しばかり糖度が高すぎるのではないだろうか。 こんな調子でやっていけるのか、と琴音は(ひたい)を押さえた。 しかしながら、「それも悪くない」と思える自分自身がいることに、琴音はいたく衝撃を受けたのだった。
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