森の奥には、ふたりの王子。

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「自分の仕事もすごく忙しいのに、電話の応対とか資料の作り方とか、すごく丁寧に教えてくれるの。美人だけど高飛車(たかびしゃ)な感じは全然ないし、スタイルもいいし、あと……」 なんか、いい匂いもするし、と宮田はまるで信奉者(しんぽうしゃ)のように茨木(いばらき)のことを語る。 「……営業部って、茨木さん、ふたりおるん?」 もしやドッペルゲンガー!? と三井がふざけるので、宮田は頬を(ふく)らませた。 ほっぺたが、パッツンパッツンになったリスに似ている。 「木の実あげるで~」と三井がおつまみのナッツを差し出すと、「だれがげっ()(もく)だっ!」と逆にパンチをお見舞いされた。
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