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やっぱり、従兄弟って、似てるところがあるのかな。
三十代半ばを過ぎた保志を想像して、「きっとカッコいいんだろうな」と琴音は思う。と同時に、そのときの自分がアラフォーだという事実に、なんだか少しだけ悲しくなった。ひとは等しく歳を取るのだけれど。
「あの……四宮課長、用件って保志くんの件ですか?」
呼び出された理由がわからない琴音がためらいがちに尋ねれば、四宮は「あー」と言いながら頭をかいた。ひどく言いづらそうな様子だ。
「保志に関してという点に違いはないんだが」
課長にしてはずいぶんと歯切れの悪い言い方だな、と琴音はぼんやりと思った。
わずかな沈黙の後、四宮は「まだオフレコなんだが……」と口を開いた。
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