くちづける王子と、恋に落ちた。

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保志(ほし)が、モリノを離れることになった」 「……え?」 琴音(ことね)四宮(しのみや)の発した言葉の意味がわからず、目を大きく見開いて、息を呑んだ。 窓の外に見える空は、吸い込まれそうなほど青い。こんな晴れ渡った日に、突然雷が起きることがあるのだという。 青天(せいてん)霹靂(へきれき)というのは、まさにいまの琴音の心境を表すのにぴったりの言葉だった。
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