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間違いなく寒いはずなのに、「まだ、ここにいたい」と彼女は言う。
「わかりました」
旺佑は“100万ドルの夜景”と謳われる夜景をぼんやりと眺めながら、ふと気づいたように琴音の方を見た。
「……琴音さん、もしかして、オレともう少しいっしょにいたいって思ってくれてます?」
「!?」
旺佑の発言に、琴音は暗闇でもわかるほど、瞬時に顔を赤くした。パクパクと口を動かした後、一瞬顔を背け、観念したように上目遣いでこちらを見た。
「……思ってマス」
そして、今度はうつむいたかと思うと、消え入りそうな声でつぶやいた。
「保志くん、明日は仕事なのに……。ワガママ言ってゴメンナサイ」
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