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キュンとした。
本日何度目かわからないが、最大級であることに間違いはない。
琴音の優先順位の一番は間違いなく仕事で──明日、彼女は土曜日出勤の代休だが──だから、旺佑の仕事に配慮することも忘れない。
普段であれば、「もう帰ろう」と言うはずなのに、今日は「まだ、ここにいたい」と言う。“ワガママ”だと自分でわかっているのに……。
「ワガママ……」
うれしさのあまり、旺佑がふわりと琴音を抱きしめた。
「ほ、ほ、保志くんッ!?」
腕の中で彼女が身体を硬直させたことがわかった。思わずこぼれた声には、明らかな動揺が見える。
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