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「……寒いんで、温めてください」
耳元でささやけば、琴音はますます顔を赤くした。首の後ろまで朱色に染めながら、彼女は小さくコクリとうなずく。
抱きしめる腕に自然と力が入る。
昨日は、出かけるのが楽しみで全然寝れなかった。“と”を入力したら、“年上彼女 デート”と予測変換されるほど、デートコースの下調べもしたし、隣に並んでも大丈夫なように、いつもよりも大人っぽい服装を選んだ。
自分ばかりが楽しみにしているとばかり思っていた。
でも……。
「琴音さん、ワンピースすごく似合ってますね。ものすごく、かわいいです……!」
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