【番外編】はじめてのお出かけ(デート編)

21/23
前へ
/579ページ
次へ
「!?」 腕の中で琴音(ことね)の身体がピクリと動いた。怪訝(けげん)そうな表情でこちらを見上げる彼女。その眼差(まなざ)しが「なにを企んでいるの?」と問うている。 いや、その表情……彼氏に向けるものじゃないでしょ? 肩を揺らす旺佑(おうすけ)に、琴音の頭の上ではいくつもの疑問符が浮かぶ。 「保志(ほし)くん?」 不安そうな声で呼ぶ彼女の唇を、旺佑はそっと人差し指で触れる。 「名前、呼んでくれませんか?」 甘えるようにささやけば、困ったように揺れる瞳。照れているのか、プイと顔をそらす。 「……琴音さん、キスしていいですか?」
/579ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4894人が本棚に入れています
本棚に追加