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「!?」
腕の中で琴音の身体がピクリと動いた。怪訝そうな表情でこちらを見上げる彼女。その眼差しが「なにを企んでいるの?」と問うている。
いや、その表情……彼氏に向けるものじゃないでしょ?
肩を揺らす旺佑に、琴音の頭の上ではいくつもの疑問符が浮かぶ。
「保志くん?」
不安そうな声で呼ぶ彼女の唇を、旺佑はそっと人差し指で触れる。
「名前、呼んでくれませんか?」
甘えるようにささやけば、困ったように揺れる瞳。照れているのか、プイと顔をそらす。
「……琴音さん、キスしていいですか?」
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