【番外編】はじめてのお出かけ(デート編)

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矢継(やつ)(ばや)なおねだりに、琴音(ことね)は小さく口を(とが)らせる。 「いつも勝手にしてくるじゃない」 その仕草(しぐさ)がかわいくて、旺佑(おうすけ)は思わずにやけそうになった。誤魔化(ごまか)すように咳払いをして、チラリと琴音に視線を送る。 「じゃあ、勝手にさせてもらうことにします」 そう言って悪戯(いたずら)っぽく笑うと、チュッと音を立てて(ひたい)にキスをした。 唇にキスされると思った琴音は、完全に(きょ)をつかれたようで、その大きな瞳をまん丸にする。その様子がまた、たまらなくかわいい。 「……期待してたのと違いました?」 意地悪く微笑んでみせれば、琴音は「知りません!」とそっぽを向く。
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