4894人が本棚に入れています
本棚に追加
矢継ぎ早なおねだりに、琴音は小さく口を尖らせる。
「いつも勝手にしてくるじゃない」
その仕草がかわいくて、旺佑は思わずにやけそうになった。誤魔化すように咳払いをして、チラリと琴音に視線を送る。
「じゃあ、勝手にさせてもらうことにします」
そう言って悪戯っぽく笑うと、チュッと音を立てて額にキスをした。
唇にキスされると思った琴音は、完全に虚をつかれたようで、その大きな瞳をまん丸にする。その様子がまた、たまらなくかわいい。
「……期待してたのと違いました?」
意地悪く微笑んでみせれば、琴音は「知りません!」とそっぽを向く。
最初のコメントを投稿しよう!