【番外編】はじめてのお出かけ(デート編)

22/23
前へ
/579ページ
次へ
矢継(やつ)(ばや)なおねだりに、琴音(ことね)は小さく口を(とが)らせる。 「いつも勝手にしてくるじゃない」 その仕草(しぐさ)がかわいくて、旺佑(おうすけ)は思わずにやけそうになった。誤魔化(ごまか)すように咳払いをして、チラリと琴音に視線を送る。 「じゃあ、勝手にさせてもらうことにします」 そう言って悪戯(いたずら)っぽく笑うと、チュッと音を立てて(ひたい)にキスをした。 唇にキスされると思った琴音は、完全に(きょ)をつかれたようで、その大きな瞳をまん丸にする。その様子がまた、たまらなくかわいい。 「……期待してたのと違いました?」 意地悪く微笑んでみせれば、琴音は「知りません!」とそっぽを向く。
/579ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4890人が本棚に入れています
本棚に追加