【番外編】深夜残業、オフィスにふたり

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ブロックタイプの栄養補助食品を引き出しから取り出して口にくわえると、琴音(ことね)は再びタイピングを始める。 悲しいかな、引き出しの中には先述のブロックタイプのものからゼリータイプのものまで、お手軽にエネルギーをチャージできるアイテムが常備されていた。 合わせて、社内外問わずにいただいたお土産が、甘い系・辛い系とバランスよく取り(そろ)えられているため、ちょっとした籠城(ろうじょう)(!?)もなんのそのである。 ()にも(かく)にも、今日中にこの書類を仕上げてしまいたい! 琴音は一心不乱にキーボードを叩き続ける。無心で画面に向かっていた彼女だが、ふいに頭をよぎった想いが打ち間違い(タイプミス)を発生させる。 ──保志(ほし)くんに会いたい。 琴音は浮き上がった感情を否定するようにデリートキーを連打した。それは、必要な部分まで削除してしまうほどの勢いだった。
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