【番外編】深夜残業、オフィスにふたり

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すると、旺佑(おうすけ)は少し困ったように顔をそむけると、ポリポリと鼻の頭を()いた。 「ええっと、琴音(ことね)さん、ソレ、急ぎですよね?」 そう言って、作成途中の資料を指差す。 今日中には仕上げたいって思ってる、と琴音(ことね)が答えれば、彼は盛大にため息をついた。 「ですよねー」 「えっと……どうかしたの……?」 首を(かし)げる彼女に一瞥(いちべつ)をくれて、旺佑は再び大きく息を吐いた。 「“いまから、襲います”って言ったら、どうします?」 「…………は?」
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