【番外編】深夜残業、オフィスにふたり

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予想だにできない言葉に、琴音(ことね)がフリーズする。 襲うって、ナニを? 口の先まで出かかった問いは、旺佑(おうすけ)の熱を帯びた眼差(まなざ)しに(ひる)んで、(のど)の奥へと押し込まれた。 「琴音さん」 「な、な、なにかしら」 しまった。(あせ)りすぎて、声がうわずった。話をそらそうとしたのに、意識しているのがバレバレだ。 確かに、彼と会えたことはうれしい。うれしいけれど……。 ここは、会社ですッ!  「節度を持って……」 行動して、と言おうとした口を(ふさ)いだのは、ほかでもない彼の(くちびる)だった。
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