【番外編】深夜残業、オフィスにふたり

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「節度を持って、襲います」 そう言って微笑んだ旺佑(おうすけ)(くちびる)同士を軽く触れさせた。羽のように軽やかな“フェザータッチキス”だ。 「ええええええ!?」 そのうち、唇はこめかみをなぞり、そのまま首筋へと下りていく。触れるだけの短いキスの連続に、琴音(ことね)の心拍数が爆増する。 逃げるように席を立てば、そのまま腰を()き抱かれた。 「ほ、保志(ほし)くんッ!?!?!?」 抗議の声をあげようとした唇が、強引なキスで(ふさ)がれる。そして、そのままデスクに押し倒されたのだった。 ──節度の意味、ホントに知ってるのッ!? 足の間に膝を入れられ、身動きを封じられた琴音だが、なおも抵抗を続ける。 旺佑は短く息を吐くと、ネクタイを緩めた。
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