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「うん。すごく似合ってます」
──なにが?
頭の上に特大の疑問符を浮かべた琴音は、半眼になって旺佑を見つめた。
その怪訝そうな表情に気づいた彼は、さらに嫣然と微笑んでみせる。そして、おもむろに右手の人差し指を伸ばすと、首筋を下から上へとそっと撫でた。
「んっ……」
背中にゾワゾワとした感覚が走った。思わず漏れた甘い声が自分のものだと気づいて、琴音の顔が朱色に染まる。
その反応に、旺佑は一瞬驚いたようだったが、すぐさま、うれしそうに目を細めた。
「……感じちゃいました?」
「ッ!?」
否定しようとした唇を、旺佑のそれが塞ぐ。ところが、口づけは瞬きするほどわずかな時間だった。
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