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「あっ……」
こぼれ落ちた言の葉は、どこか物足りなさを含んでいて、琴音はますます顔を赤くした。
ときどき意地悪だけど、彼がくれるものは、とびきり甘い。それは心地よくて、もっと欲しいと願ってしまう。
あんなに恋をすることに怯えていた自分がウソのようだ、と琴音はそっと息を吐いた。
「琴音さん、もう動いて大丈夫ですよ」
そんな恋人の心情などお構いなく、旺佑はスルリと両手首の拘束を解くと、ニッコリと笑んだ。
なにが大丈夫なのだろうか……?
突然の解放宣言に戸惑いつつ、琴音は上体を起こす。
その瞬間、首元でなにかがキラリと光った。
「ん?」
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