【番外編】深夜残業、オフィスにふたり

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一粒ダイヤのネックレス。室内のわずかな光を反射して、キラキラと輝きを放っている。 「付き合って、1ヶ月と12日目記念です」 耳元でそっとささやいた旺佑(おうすけ)に、琴音(ことね)(あき)れたような眼差(まなざ)しを送った。 ──それはもう、なんでもない日ではないだろうか。“なんでもない日、バンザイ”か? その視線の意味を察知した彼は、小さく口を(とが)らせる。 「……先月、琴音さん、誕生日だったんでしょ?」 「え? あ、うん……そうだけど……」 年度末の売上目標達成に向けて、最終の追い込みをかけていた時期だ。だが、それが一体なにに関係あるのか、琴音はさっぱりわからない。
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