【番外編】ねえ、呼んで

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「ごめん、森埜(もりの)くん……!」 「……なんでやねんッ!」 思わずツッコミを入れた。なぜか、関西弁で。 その反応に、目をまんまるにする彼女。「え? 違うの?」と頭の上にいくつものハテナマークを浮かべる姿に、旺佑(おうすけ)は思わず目を()らした。 くっそ、可愛いなッ!! しかし、一拍(いっぱく)置いて、彼は全力でかぶりを振る。 「じゃなくてッ!」 グイッと琴音(ことね)を抱き寄せると、旺佑はそれはそれは盛大なため息をついてみせた。 「いつになったら、名前で呼んでくれるんですか?」 付き合い始めて2ヶ月。まだ、一度だけしか呼ばれたことがない(旺佑調べ)。
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