森の奥には、ふたりの王子。

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その去っていく背中を一瞥(いちべつ)し、四宮(しのみや)は「かわいいもんだな」と肩を揺らした。 そのとき、ポケットから断続的な振動を感じた。煙草(たばこ)を右手に持ち替え、携帯電話を取り出す。 「……よお」 声のトーンは一段低い。 四宮は、煙を肺に入れ、ゆっくり吐き出した。 「どうした、久弥(ゆきや)?」
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