【番外編】愛を込めて花束を

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「そ、そうね…………」 あきらかに困惑している。八の字に眉を下げる琴音(ことね)に、旺佑(おうすけ)は腕を伸ばした。その口もとに浮かぶのは薄い笑み。 なにかを察知して反射的に逃れようとした琴音だが、背後にはベッドフレームがあるため、これ以上は後ろに下がれない。呆気(あっけ)なく腕の中に閉じ込められた彼女は、ますます困ったように旺佑を見上げた。 「あ、あの……」 「……琴音さん、オレ、前に言いましたよね?」 「?」 「“男とこんな場所でふたりきりなんて、迂闊(うかつ)すぎやしませんか?”って」 って、家なんだけど! とつっこむ猶予(ゆうよ)など与えられず、琴音の唇に旺佑は己のそれを重ねる。 だが、それは一瞬のこと。
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