【番外編】愛を込めて花束を

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「それは、どうも……」 ありがとう、と旺佑(おうすけ)半眼(はんがん)になってつぶやく。彼女の弟に認められたのはうれしいのだが……。 「ええっと、千咲(ちさき)……くん」 「ん?」 キョトンとした表情でこちらを見やる彼に、旺佑はひどく真面目な顔つきで尋ねた。 「周りが見えなくなるほど夢中になるのって、琴音(ことね)さんのいいところだろ?」 なんでそれが欠点になるんだ? と困惑気味の旺佑。その反応に、千咲は(たま)らず吹き出した。 「ホントお似合いだよ、ふたりとも……!」 ひとしきり大笑いし、目尻の涙を(ぬぐ)う千咲。なぜ彼がそんなにも笑うのか、旺佑にはまったくわからい。 ただ、この場で理解できたのは、「さっさとオレのラーメンを食え!」という店主からの熱い視線だけだった。
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