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──姉ちゃんのこと、よろしくね。
それは、たった一言だけのメッセージ。義弟となる千咲から、旺佑に向けて書かれたシンプルな一文。
「こんなときだけ、“姉ちゃん”って言うんだから……」
そう言って笑う琴音だが、その目には透明な雫が光る。その涙ごと彼女を抱き寄せて、旺佑は大きくうなずいたのだった。
なお、このとき贈られたバラの花が、愛しい妻と同じ“琴音”という名前で、後日、「え? 琴音ちゃんと同じ名前なのに知らなかったの?」と千咲に新たなる挑戦状を叩きつけられることになるのだが、それはまた別のお話。
【番外編】『愛を込めて花束を』 完
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