【番外編】おとうさんも一緒(再び)

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が、すぐさま立ち上がって、窓の向こうの景色を眺める。正確には、窓の外を眺めるふりをしつつ、玄関の様子に耳を澄ました。 「いらっしゃい。待っていたわ」 少し開いた扉から、(はず)むような妻の声が聞こえる。「父さんは?」と尋ねるのは息子だ。 「客間で待ってるわ。さあ、どうぞ」 ──おじゃまします。 若い女性の声に、冬馬(とうま)は飛びあがる。そして、再びソファーに腰を下ろしたのだった。
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