4893人が本棚に入れています
本棚に追加
「いえ、旺佑さんはとても優秀で……」
「琴音さんーーーッ!?!?!? 担任の先生感を出さなくていいからッ!」
「あ……ごめんなさい」
頬を朱色に染めて肩をすくめる様子は、仕事中の彼女のイメージとは大きく異なる。
五歳年上の恋人から見て、息子は役不足ではなかろうかと懸念していたが、どうもプライベートの茨木琴音は、なかなか、かわいらしい女性のようだ。
「父さん。母さん。今日は報告に来たんだけど」
襟を正す息子と、その恋人。ふたりはまっすぐにこちらを見る。
冬馬もまた、神妙な面持ちで彼らを見つめる。隣では玲子が微笑を浮かべていた。
「オレ、彼女と結婚します」
最初のコメントを投稿しよう!