【番外編】おとうさんも一緒(再び)

15/25
前へ
/579ページ
次へ
「あら、久弥(ゆきや)出かけるの?」 アルバムを抱いて戻ってきた玲子(れいこ)が、不満げにため息を漏らす。「夕食、今日は外で食べてくるから」と伝えて、久弥はそそくさと二階の自室にゴルフバッグを置きに行ってしまった。 「(しょう)ちゃんは、どうするの?」 「いや、オレも久弥と出かけるんで」 お構いなく、と久弥に続いて翔太(しょうた)も逃げるようにその場を後にする。 「もう、男の子って困るわ」 三十代男性を“男の子”呼ばわりだ。余談だが、翔太は昔から玲子には頭があがらない。若気の至りでをしていた時期も、彼女の言うことだけは素直に聞いていた。 鬼上司の扱われ方に茨木(いばらき)はどう反応すべきか困惑している。一方、旺佑(おうすけ)は「さっさと出かけろ」と言わんばかりの険しい表情を浮かべていた。
/579ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4894人が本棚に入れています
本棚に追加