【番外編】リング!リング!リング!

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「やっぱり、“給料三ヶ月分”ってやつ?」 焼き鳥を頬張りながら、三井(みつい)拓海(たくみ)が興味津々とばかりに瞳を輝かせる。 ガヤガヤとした居酒屋の四人掛けのテーブル席。その対面に座した同期で友人の保志(ほし)旺佑(おうすけ)が頭を抱えて(うな)っている。 「オレらの“給料三ヶ月分”なんて、大したことねーじゃん」 そう言って、彼は盛大(せいだい)に息を吐く。間違いなくイケメンに分類される旺佑ではあるが、同時に色々と不憫(ふびん)な男でもある。断っておくが、は旺佑の魅力のひとつだ、と拓海は思う。 「茨木(いばらき)主任なら、どんなものだって喜んでくれると思うけど」 拓海の隣で、つくねを串から外していた同じく同期の宮田(みやた)彩乃(あやの)が、不服そうに口を(とが)らせる。(いわ)く、「私の憧れの茨木主任が、そんな狭量(きょうりょう)なはずないでしょ」と。
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