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まあ、年上の恋人に、漢らしくプロポーズをされる羽目になったら、カッコもつかんよなぁ。
茨木さんらしいっちゃらしいけど。多分、旺佑にこんな表情をさせられるんは、あのひとだけなんやろうなぁ、と肩を揺らす。
「……指輪のサイズもよくわかんねぇし」
「寝てる間に、紐とかで測ったらええんちゃうん?」
なんでもそつなくこなす旺佑らしからぬ発言に、拓海が首を傾げる。すると、彼は至極真面目な表情で「寝顔がかわいくて、目が離せなくなるから」と宣うのだ。
「…………なんや腹いっぱいやわ」
「え? 焼き鳥の盛り合わせ、オーダーしちゃったよ……?」
彩乃がメニュー片手に目を丸くする。焼き鳥はまだいけるから、と拓海はきっぱりと答えたのだった。
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