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とは言いながらも、そんな簡単に忘れられるはずはない。
ロビーで男性陣と合流した琴音は、保志の姿を目にするなり、にっこりと微笑みかけた。
「半径1メートル以内に近づかないで」
「……はい」
絶対零度の笑顔で告げられた接触禁止令に、保志はイエスという以外の選択肢はなかった。
「不束者の弟ですが、今後ともどうぞよろしくお願いします」と志津香に送り出された一行は、京都駅で土産を物色した後、新幹線に乗車した。
「保志、なんでお前が隣なんだ?」
「……オレも不服です」
自由席と言いながら、まったく自由に座れない。
自業自得といえばそれまでだが、琴音の隣には宮田が座り、そこになぜか三井も加わって、楽しそうに会話していた。
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