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やっぱり、鬼原くんに電話して、迎えにきてもらったほうがいいかも……。
琴音は、久弥たちと別れた場所から一歩も動くことができず、トランクの持ち手をにぎったまま、うずくまるように座っていた。
「おねーさん、大丈夫なん?」
声をかけてきたのは、明るい髪色をした二十代前半と思われる男ふたりだった。酒臭い呼気に思わず顔をしかめる。
「……大丈夫です」
ピシャリと言い放つ。正直、あまり大丈夫ではないのだが、男たちが浮かべる下品な笑みに、不快感ばかりが募る。
「そんなん言わんと、オレらがちょっとキューケイできるところに連れていったげる」
「結構です」
冷たい口調で拒絶し、スマホを取り出す。鬼原に電話しようとした矢先、腕を掴まれ、乱暴に引っ張りあげられた。
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