ふたりの王子と、金色《こんじき》キツネ。
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ふたりの王子と、金色《こんじき》キツネ。

「展示会ですか?」 出社して早々、課長の四宮しのみやにミーティングルームに呼び出された琴音ことねは、思いがけない話題に、「はぁ」と気の抜けた返事をする。 「2月6日から三日間、工作機械やFA機器をメインにした展示会に、ウチが出展することになった」 「あと、四ヶ月じゃないですか」 同席していた保志ほしが、めずらしくけんのある物言いをする。 「保志くんっ!」 その態度を琴音がたしなめようとするが、保志は気にせず四宮に突っかかっていく。 「展示内容は、もう決まっているんですよね?」 「ああ。今月中に確定させる」 “確定している”ではなく、“確定させる”と四宮は言った。しかも、肝心の“だれが”という主語がない。 琴音は、大きく深く息を吐いた。
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